食事は3番目

「食べること」は私たち人間にとって、欠かすことのできない重要なことです。人間の3大欲(知識欲、食欲、性欲)にも数えられ、太学功でも、薬膳など食べ物に関する研究もされてきました。誰でもが理解しているように、食べることはエネルギーを補う大切な方法であり、私たちは毎日、食べ物からエネルギーを得ています。しかしそれでも、食べ物から得るエネルギーは、「3番目」なのです。 

 人間が身体の中に取り込むことでエネルギーを得る方法を、太学功では次のように位置づけます。

  1 自然界から直接受けるエネルギー(気)

  2 呼吸

  3 食事

(「睡眠」は、身体を休めることでエネルギーが細胞を修復するものであり、ここでは別に考えます。)

 「断食」というものがあるように、私たちの身体は一日食べなくても、または何日間か食べなくても生きることができます。それに対して呼吸は、1分間息を止めるだけでも苦しくなるほどです。まれに、海の生物を捕って生活するという環境から、訓練で数十分間息を止めることができる人もいるようです。それでも何時間も呼吸をしないでいるのは無理でしょう。ですから、食事よりも呼吸の方が人間に必要なものと考えます。 

 そして、呼吸よりももっと私たちと密着した大事なものが、自然界から受けるエネルギー、つまり「気」です。もともと宇宙全体が大きなエネルギー(気)で構成されていて、宇宙の一部である私たちの身体は、このバランスの中に存在します。そのことを考えれば、私たちは「気」なしには生きること、または存在することすらできないのです。普段は、そんなことは考えもしないで私たちは生活しています。考えないということは、「あたりまえ」だからです。私たち人間は、あたりまえなことについては言及しません。普段は意識もしないし思い出しもしないものです。そして、そのあたりまえなことが一番大切だということに気付かないものではないでしょうか。

 「人間は宇宙の中のほんの一部であることを思うと、私たちはもっと謙虚にならないとね。」と丁先生はおっしゃいます。とかく目の前の、目に見えるものに私たちはとらわれがちですが、少し見方を変えてみると。。。。。まだまだこれから新しい発見がたくさんありそうですね。

 それにしても、やっぱりおいしいものを食べたいですよね。                      丁先生はおっしゃいます。「ほどほどにね。」

2009年12月