10年後の自分のための「生活習慣」

翌朝に「疲れ」が残らない眠り方

寝つきが悪い、睡眠導入剤が手放せない、夜中に何度も目を覚ます、眠ったのに疲れがとれない、朝起きてから30分くらい神経痛で動けない、午前中はぼーっとしてしまう・・・こうした睡眠の悩みは、とてもつらいものですね。

睡眠中に、私たちの体は成長ホルモン他さまざまなホルモンにより細胞を修復し、新陳代謝を行っています。

質のいい睡眠がとれてこそ、「気」が満ち、病気を寄せつけない若々しい体になります。睡眠不足が続くと、体の修復がうまく行われず、ガンやそのほかの重大な病気につながるのです。

 

元気でいられる最低限の睡眠時間

では具体的にどのくらいの睡眠時間が必要なのでしょう。

太学功では人間の睡眠は、約2時間ずつのリズムの繰り返しとされています。体の点検・修復は、心臓からはじまり、体をぐるっと一周行い、それに2時間かかるのです。

点検は1回では終わりません。少なくとも2回、2周分4時間は睡眠時間をとる必要があります。元気でかつ睡眠を上手に取れる人は、4時間睡眠でよいでしょう。それでは足りない人も、3周分の6時間眠れば、体はひととおり修復されます。

 

《よい睡眠をとるためのポイント》

①    夜の少食を心がける

②    寝る直前に食べない

③    お風呂に入ってリラックスする

④    就寝前に興奮するようなテレビ、パソコンなどを見ない

⑤    寝室はリラックスできる雰囲気に

 

短時間の昼寝は特にお勧めします。ただし長すぎると体内時計がくるってしまうので30分以上寝ないようにしてください。

 

夜10時に寝る人が「病気にならない」わけ

私たちの体は夜の間に修復しています。その修復がきちんと終わり、新陳代謝が正しく行われれば、翌朝はすっきり目覚めることができ、病気にならない体でいられます。

太学功の教室では、昼に働いて夜休む細胞を「昼型細胞」、昼に休んで夜働く細胞を「夜型細胞」とし、夜型細胞の活動がスムーズになる生活習慣を紹介しています。

夜型細胞が活発に働いている時間帯は夜10時から翌朝3時までです。その時間に眠っていれば、体の修復がきちんと行われ、翌朝に疲れを残すこともなく、風邪や病気にもかかりにくくなります。

たとえ睡眠時間が4-5時間しかとれなくても、夜10時に就寝すれば、修復のリズムを崩すことなく、体に疲れをためずにすみます。

 

なぜ睡眠不足が寿命を縮めるのか

最近では「自律神経」という言葉をよく耳にすると思います。神経には、「体性神経」と「自律神経」という2つの系統があります。

体性神経は、自分の意志や意識で働く神経で、熱い、痛いなどの感覚を脳に伝えたり、脳の指令を伝達する作用をします。

一方、自律神経は、自分の意志や意識で働かせることのできない神経で、心臓の動き、呼吸、食べ物の消化、体温の調節など、生命活動の基本をつかさどる神経です。

自律神経は、対照的な働きをもつ「交感神経」と「副交感神経」の2つからなり、この2つの神経がバランスよく働くことで体は維持されています。

交感神経は、主に朝から昼間の時間帯、つまり人が活動するときに優位になります。交感神経が優位になると、心拍は早くなり、血管も収縮して血圧も上がります。

一方、副交感神経は、夕方から夜にかけて働き、リラックスしたり、眠るときに優位になります。副交感神経が優位になると、脈拍も呼吸も遅くなります。

1996年、新潟大学大学院の安保徹教授らの研究により、この自律神経と「白血球」の関係が明らかになりました。自律神経は、白血球の働きと密接に関わっており、交感神経が優位になると白血球の中の顆粒球が増加し、逆に副交感神経が優位になると、リンパ球が増加するという「福田‐安保理論」です。

太学功では三千年も前から「夜型細胞」「昼型細胞」の存在を認め、睡眠不足がいかに健康に影響するかを理論化してきましたが、医科学の進歩により、夜型細胞は「リンパ球」、昼型細胞は「顆粒球」として認識されたのはうれしいことですね。

睡眠が、免疫をつかさどる白血球に影響するということは、睡眠不足が確実に寿命を縮めるということを意味します。

気功を行えば、交感神経も副交感神経もコントロールできるようになりますが、まずはしっかり睡眠をとり免疫力を落とさないようにしましょう。

 

「寝つき」がすぐよくなる方法

寝つけないときに行うとよい簡単な方法を紹介します。

 

《寝つきがよくなる逆腹式呼吸》

①    仰向けの姿勢になります。

②    寝た状態で、逆腹式呼吸を苦しくない程度に行います。

息を吸うときは、気が手足に入っていくイメージで、吐くときは気が出ていくイメージ。

イメージが難しければ、ぼーっと何も考えない状態でもよいでしょう。

③    ①―②をゆっくり36回くり返します。

 

《深くぐっすり眠れる手のマッサージ》

①    左手の小指のつけ根の両脇を、右手の親指と人差し指の先でつまむようにグッと押さえ、小指のわきを指先に向けて強めにマッサージします。

②    指先まできたら、最後にさらに強めに押さえます。これを順に親指までやります。

③    終わったら、右手も同じように行います。

 

このマッサージは睡眠時間が十分にとれないときや、いくら眠っても疲れがとれないときに行うと効果的です。

眠れないときに、「眠らなければ」と思いつめてしまうことが多いものですが、眠ることに執着しないようにしましょう。睡眠の目的は体の修復なので、横になって体をリラックスするだけでも、体は修復されます。眠くならなくとも、横になってゆったりとした気持ちでリラックスするだけでもよいと考えてください。

 

 

寿命がのびる入浴法

日本には温泉がたくさんあり、お風呂が大好きな方も多いのではないでしょうか。その日一日の汗を流し、湯につかって体を温める時間は、リラックスできるひとときでもあります。

病気にならない体をつくる毎日の生活習慣のなかに、お風呂の入り方も含まれます。

 

「じっくり汗をかく」は不健康

太学功では「熱い湯」と「長湯」は、気を浪費するので、お勧めしていません。熱い湯はつかっているときは気持ちよく、体は温まり、血行もよくなります。しかしその分、心臓に負担がかかります。

お風呂の温度の目安は38度程度、高くても39度で、夏はシャワーで十分でしょう。

また、ぬるま湯に長くつかり、じっくり汗をかくのも体に良いといわれますが、汗をかくにも気を使いますから、特に病み上がりなど体調がよくないときは、長湯はさけたほうがよいと思います。ただ夏場の冷房などで体が冷え、汗を出す機能が弱っている場合は、じっくりつかって、機能を回復させるとよいでしょう。

汗を出す機能が正常であれば、体内に熱がこもっているとき以外は、お風呂で汗を流す必要はありません。また、熱い湯と同様、肩までつかった状態で長湯をしすぎると、水圧で心臓に負担がかかります。温泉旅行で一日に何度もお風呂に入る人は多いと思いますが、入りすぎると、疲れをいやすはずが、かえって疲れて帰ってくることになりかねません。一日3回以上の入浴は体に毒、と覚えておいてください。

お風呂の中で、心身ともにリフレッシュする方法を紹介します。

 

《お風呂でリラックス&デトックスできる呼吸法》

①    お風呂につかり、全身の毒素が出ていくようにイメージします。

②    逆腹式呼吸を9回ゆっくり行います。

※うまくできると、毛根から気泡が出てきます。

 

「食後30分」は入浴してはいけない

お風呂には夜入るという方が多いのではないでしょうか。夕食後に入る場合、少し時間をおいてからにしてください。消化のために血液が胃に集まっているので、消化不良になり、心臓への負担も大きくなります。

最低でも食後30分はゆったり過ごし、その後入浴するようにしましょう。

寝る直前の入浴も睡眠モードに入ろうとしていた体が活動的になり、寝つきが悪くなることがありますので、できるだけ避けてください。

入浴はできれば朝のほうが望ましいでしょう。

特にエネルギーが落ちていると感じたとき、夜は軽くシャワーですませ、翌朝に入浴することをお勧めします。

夜は少食を心がけ、きちんと睡眠がとれていれば、朝は体が一番元気な時間です。朝の入浴で血流がよくなれば、新陳代謝が促進され、余分な脂肪もとけていきます。頭もすっきりし、その日一日を調子よく過ごせます。

ただし、朝は自律神経が交感神経にきちんと切り替わっていないこともあるので、いきなり入浴すると体に負担がかかります。何かを少し食べて、体を目覚めさせてからにしたほうがよいでしょう。

 

 

運動の「やりすぎ」は百害あって一利なし

適度な運動が体にいいことは常識になっていますが、あくまで適度であり、アスリート並みに体を酷使すると逆効果になります。

 

40歳を過ぎたら「ほどほど」「無理しない」が大事

ダイエットの方法でも、よく「基礎代謝を上げるためには運動をして筋肉をつけ、エネルギーを消費しやすい体をつくりましょう」などといわれます。

適度な運動をすれば、たしかに基礎代謝が上がり、脂肪が燃えやすくなるので、一定のダイエット効果はあるでしょう。

しかし、まだ若くて体力のある10代、20代であればいざ知らず、特に40代以上の人には、必要以上の筋肉をつけることを太学功ではお勧めしません。

なぜなら貴重な気の浪費につながるからです。

 

筋肉を作り、維持し続けるためには、かなりの量の気が使われます。また、激しい運動をして筋肉痛になると、その修復にも多くの気が使われます。実際にマラソンで心臓を悪くした人、アキレスけんを痛めた人、ヨガで関節を痛めた人などは少なくありません。

元気になるため、健康のために始めた運動によって、かえって健康を害することもあるのです。

 

疲れを残さず、元気な毎日を送るためには、運動は筋肉痛になる手前でやめるなど、何事も“ほどほど”にしましょう。

週1回ジムで疲れるほどハードなトレーニングをするよりも、駅やオフィスでは階段を使う、なるべく車には乗らず、徒歩で移動するといった日常の小さな心がけを積み重ねていくほうが、体にはずっといいものです。

 

持続力のある“柔らかい筋肉”をつける方法

私たちが健康的に生きていくうえで、いったいどれくらいの筋肉が必要なのでしょう。それは、「自分の体を支えられるだけの筋肉」です。

「えっ!それだけで大丈夫なの?」と驚いたかもしれません。ただ背筋を伸ばした正しい姿勢で1日を過ごすだけでも、けっこう疲れませんか?

そして、体を支えるための筋肉は体内に気が満ちていれば、特別に鍛えなくても、自然に発達します。

気功は、静功と動功という2種類に分かれています。太学功の動功の動きはごくゆるやかなものですが、ひとつひとつの動作は長い年月をかけて完成されたものなので、体幹からバランスよく鍛えることができます。気功でつく筋肉は、しなやかで、柔らかい筋肉です。柔らかい筋肉がつくと体に持続力が生まれ、多少のことでは疲れにくくなります。

静功も、姿勢を正しく保ち、体に気が流れるので、スタイルも美しくなりますし、首・肩のコリ、頭痛、腰痛などを改善できます。

多くの方は姿勢が悪いため、不必要なところに筋肉がついてしまい、つらい症状につながっていることが多いようです。たとえば、肩が慢性的にこっている人の首の後ろに、かなりの厚みの筋肉がついていることがあります。これは、頭の重さを支えるために発達した、いわばムダな筋肉です。人間は首から肩甲骨の周辺の筋肉で頭の重さを支えていますが、姿勢が悪いと首の後ろに過度な負担がかかり、その部分の筋肉が発達してしまったわけです。

美しく元気でいるには、体幹を鍛えること、しなやかな筋肉をつけること、ムダな筋肉はつけないことが大切です。

「丁治紅先生について」

 

 

「病気にならない」季節ごとの過ごし方

中医学(現代中国で行われている中国伝統医学)では、内臓の働きを大きく「心、肝、脾、肺、腎」の5つに分け、「五臓」と呼んでいます。これは西洋医学の内臓と同じ名前ではありますが、解剖学的な意味合いよりも、陰陽五行にもとづき、人体の機能を5つに分けたものと考えられます。ここでは、「五臓」という視点から、それぞれの季節に合わせた病気にならない過ごし方をお話ししましょう。

 

春——解毒をつかさどる「肝」(肝臓)に負担がかかる季節

 

春は年度の切り替わりもあり、何か新しいことをはじめたくなったり、体を動かしたくなったりします。しかし、なるべくゆっくりと余裕をもって行動するように努めてください。

草花が芽吹くように、人間も植物と同じで、春は新陳代謝が活発化し、体の細胞が新しくなる時期です。ここで無理をするとエネルギーを無駄に消耗して、疲れてしまいます。

また、「春眠暁を覚えず」という漢詩があるように、春は暖かさに体がゆるみ、眠くなることが多いと思います。冬の間、防寒にがんばっていた体の疲れが出やすい時期なのです。

そうはいっても、あくまでも睡眠もほどほどを心がけ、たっぷり眠りすぎたり、急に短くするのはよくありません。

 

春は五臓の「肝」(肝臓)が対応しています。中医学では、「肝」は血液を蓄え、体内の血液量を調節する働きを持っているとされていますが、新陳代謝、情緒の安定などもつかさどると考えられています。

冬から春になると、血流が速くなります。体の各所に冬の間にたまった毒素が血液中に流れだし、解毒をつかさどる肝臓に負担がかかりやすくなります。そのため、春は気分が沈みやすくなり、ストレスを感じやすくなるのです。仕事でも勉強でも、効率が悪くなりやすい時期です。

 

2015-3-8ブログ2

 

春は「目に見えない毒」が自然界にあふれる時期です。例えば、春に旬を迎える食べものはアクが強く、毒性が強かったりします。

そんな中で生き抜くためにも、解毒をつかさどる肝臓は大忙し

また、春は肌の免疫力が落ち、湿疹ができやすい時期でもあります。粘膜も弱くなるため、花粉症の方には特につらい季節ですね。

季節に慣れていくには、旬のものを体調に応じて、少しずつとるようにするとよいでしょう。ただし、春は肌の弱い方は、旬のものをとりすぎないように気をつけてください。

また暖かくなってきたからと、すぐに薄着になるのはやめておきましょう。暖かくなっても、肌は外気に弱く、急に外気に当たりすぎると、無駄にエネルギーを消耗してしまいます。

私たちは春の新緑や花を美しいと感じ、心もなごみますが、体にはある意味、厳しい季節であることも知っておき、体調を気遣いながら過ごしましょう。

 

夏—–「心」(心臓)と「脾」(胃腸)がつかれないよういたわる

 

夏は暑さによって血液循環が速くなり、水分もたくさん摂取するので、「心」(心臓。循環器系に関係する臓器)が活発に働き、負担も大きくなります。

また、真夏には「脾」(胃腸と脾臓。消化・吸収などの消化器系)の働きも落ち、疲れやすい「夏バテ」の状態になりがちです。

このように、夏は体に大きな負担がかかりやすい時期なので、食事に気をつけるよりも、睡眠・休息をとるようにしてください。夜は他の季節よりも長めに眠るようにし、日中も、時間があれば、午前でも午後でもかまいませんから、昼寝をするといいでしょう。

 

あまりの暑さに食欲が落ち、消化能力も弱まるので、食べすぎは禁物です。冷蔵庫に入れていないと食べ物がすぐに傷んでしまう季節に、消化・吸収されずにいつまでも体内に残っている食べものはいったいどうなるのか、想像してみてください。「夏バテしないよう、しっかり食べてスタミナをつけなければ」と思いがちですが、夏は他の季節よりさらに少食を心がけ、きちんと消化吸収できる量にしておきましょう。

また、夏はどこへ行ってもエアコンの冷気に当たるため、どうしても体に寒気が入りやすくなります。寒気を抜く食べもの、特にしょうがを積極的に食べるといいでしょう。夏はしょうがをいくら食べてもかまいません。

冷たいものを食べるときは、口の中で少し温めてから呑み込むようにすると、胃の負担が少なくなります。冷たい食べ物は、体内のエネルギーを使って温かくしてから消化されるので、省エネの観点からも、食べすぎないようにしたいものです。

 

エアコンで冷気が入りがちな体には、朝の温かいお風呂もお勧めです。軽く汗が出るくらいの湯温がいいでしょう。夏はシャワーだけで十分ですが、冷房がつらいと感じている人はしっかり入浴して、発汗機能を回復させてください。

あまりの暑さに水シャワーをしたくなりますが、なるべくやめておきましょう。汗腺が開ききっているときに水シャワーをすると、寒気が体の奥まで入り、血液循環が悪くなります。浴びているときは気持ちがよくても、あとで逆に体が熱いような、サッパリしないような感じが残ります。37度か38度くらいの温かいシャワーのほうが、浴びた後にかえって涼しく感じられてサッパリします。

 

秋—–「肺」(肺、のど、気管支)の強化のために「逆腹式呼吸」を

 

夏の暑さから解放され、涼しくなってくる秋は、スポーツに趣味にと活動的に動きたくなる季節です。しかし、残暑があるうちは、夏の疲れが出やすい時です。気の充実度をたしかめながら、無理のないように徐々に活動量を増やしてみてください。

「収穫の秋」ともいい、美味しい食材が豊かにとれる時季。涼しくなって食欲が戻ったからといって、食欲のおもむくままに食べるのはよくありません。夏に落ちた消化機能の回復をみながら、少しずつ量も増やし、味わうようにします。

秋は五臓の中では「肺」(肺。呼吸器系の機能のほか、皮ふ、鼻、のど、気管支などの働きを含むが対応しています。夏の間に消化能力が落ち、食事からの気を得にくい分、呼吸を行う肺が気を吸収しようとがんばる時期です。

 

秋に活躍する肺の負担を減らすため、太学功では逆腹式呼吸などの訓練をし、「少呼吸」を目指します。

中医学でいう「肺」は皮ふとも深い関係があります。逆腹式呼吸の訓練により、肺だけでなく肌からも気を吸収できるようになると、さらに肺の負担は減らせます。また、夏には多めにとるとよい睡眠も、秋はほどほどを心がけてください。

体が秋仕様になり、元気になれば、エネルギーに余裕も生まれます。そうなれば、積極的に動き回れるようになります。

 

冬—–「腎」(腎臓)をいたわり、食事から気をとり込む

 

冬は夏とは対照的で、睡眠よりも食事によってエネルギーをとり入れたい季節です。

他の季節よりもやや多めに食事をとるようにしてください。たとえば腹6分目を心がけているなら冬は腹6.5分目、夏は腹5.5分目くらいがいいでしょう。

冬は、中医学の「五臓」の中でも、「腎」(腎臓。生殖器系、ホルモン系、造血系、中枢神経系などをふくむ生命エネルギーの源と考えられている)が対応しています。

「腎」の役目の一つは、血液を濾過し、余分な老廃物や塩分をとり除き、全身にきれいな血液をゆきわたらせることですが、冬は気温が低いため、血液循環が悪くなります。そのため、冬の腎臓は血液の量や速さを調節しようとするので、負担がかかり、気を消耗するのです。

疲れがちな腎臓をいたわるためにも、良質な眠りを心がけて、冬は特に早寝早起きを習慣にしてください。また、冬は食事でエネルギーを得ているので、長く眠る必要はありません。冬の睡眠時間は、夏よりも1時間ほど短めにします。例えば平均睡眠時間が7時間の人は、冬は6時間半、夏は7時間半というふうに調節するといいでしょう。

家の中の温度設定は、19度か20度くらいが適当です。あまり温かくしすぎると、体が外気との温度差についていけません。

 

冬の入浴は、食後すぐは避けたほうがよいでしょう。だいたい食後1時間を目安にしてください。寝る30分前に入浴すると、血液の循環がよくなり、寝つきやすくなります。