すっきりキレイ!になる「少食」

不調を「きれいサッパリ」消す食事法

腸も血管も10歳若返る食べ方

食事は呼吸とともに気をとり入れるルートの一つです。体に気を効率よくとり入れるための食べ方をご紹介しましょう。

 

「体調が悪いから、しっかり食べて体力をつけなきゃ」

「バテ気味だからスタミナのつくものを食べておこう」

「たくさん食べれば、体力がつく」

よく聞く話ですが、これは大きな誤解です。

「体力をつけるため、あるいは病気を治すために、たくさん食べる」というのは、気功の観点からすると、かえって体力を奪う、気を減らしてしまう行為といえます。食事のとり方について、太学功ではまず「少食」を心がけることをお勧めしています。

 

食べすぎは「万病のはじまり」

人間の体は「たくさん食べれば食べるほど気が充満する」わけではありません。たくさん食べると、逆に胃腸に負担がかかり、気を消耗します。しかもたくさん食べれば、当然のことながら太ってしまいます。余計な脂肪が増えた分、体の負担も大きくなり、大事な気も浪費することにつながり、糖尿病や高血圧といった生活習慣病にかかりやすくなるだけです。

脂肪分やカロリーの高い食事は、血液中のコレステロール値を上げ、血液をドロドロにします。さらに肥満は、乳ガンや大腸ガン、子宮体ガンといったガンにかかるリスクを確実に上げます。

ガン、動脈硬化、脳血栓、心筋梗塞、心臓病、胃炎、痛風、胆石・・・あらゆる病気の原因の多くは、食べ過ぎによる血液の質の悪化、それにともなう血管の劣化にあるのです。

 

「腹6、7分目」が目安

では、具体的にどれくらいが「少食」なのでしょうか。

よく「腹八分目」といいますが、腹六、七分目くらいがちょうどよいでしょう。そして、できるだけその食事量を一定に保ってください。昨日はお腹いっぱい飲んで食べてしまったけれど、今日は忙しかったのでほとんど食べないなど、ムラがあるのは体によくありません。

「腹六、七分目では足りない」と思われるかもしれません。今まで、満腹になるまで食べていた人がいきなり少食に切り替えるのは難しいと思います。しかし、私たちの体は、順応していけるので、食べる量も少しずつ無理のないように調節していけば、少食でも、そこから十分に気をとり入れられる体に変わっていきます。

人間は実際にそれほど食べなくても生きていけます。当研究所では、45日間、丁先生が気を入れながら、1日リンゴ1個半と水だけで過ごす実験を行ったことがありました。被験者は普段通りの生活を元気に送ることができ、体も内臓から肌までキレイになり、澄み切った感覚さえ得ることができました。これは、人間は食べ物だけに生かされているわけではなく、気を環境や呼吸などほかから得ることができれば、生きていけるということです。

 

“長寿遺伝子”を活性化する食べ方

最新の科学でも「少食」が糖尿病や認知症を予防し、若返りや長寿につながることが明らかになっています。

アメリカのウィスコンシン大学がアカゲザルに行った実験によると、エサを必要カロリーの30%ほどに制限したところ、ガンの原因になる活性酸素の発生が抑えられ、若返り長寿遺伝子である「サーチュイン遺伝子」が活性化することが実証されたそうです。

サーチュイン遺伝子は地球上のほとんどの生物が「飢餓対策」として獲得した寿命を延ばす生命共通の働きを持つ遺伝子です。この遺伝子の働きがオンになると、内臓や血管、骨、皮ふなど体のあらゆる器官が若く保たれ、寿命が延びます。

サーチュイン遺伝子はだれもが持っていますが、ふだんは機能しておらず、カロリーを制限したときに活性化します。

太学功の教室では以前から、この事実を説明しておりましたので、太学功の理論が科学的に証明されたこと、近年NHKで特集されるなど少食が注目されてきたことを生徒さんは皆さん喜ばれています。

「老化は血管から」といわれますが、アメリカのカロリー制限協会の実験でも、カロリー制限により、血管が実年齢より若くなることが実証されています。このように、少食が若々しい体をつくり、長生きの秘訣であることは、最新の科学でも証明されてきているのです。

 

エラー頻発!?誤作動を起こす食習慣

何かを食べるたびに、私たちの体は、これは栄養になる、これはならないという判断を下しています。

私たちの体は超高性能のスーパーコンピュータ以上に素晴らしい機能を持っています。食べ物を食べると、それを体が栄養にするまで、複雑な作業をいくつも経ます。たとえばパソコンは、処理能力以上のデータを入れれば、情報処理に時間がかかり、時にエラーも起こします。体もこれと同じで、食べたものが多すぎると、処理能力も低下するし、誤作動を起こしやすくなるのです。

少食を心がければ、余分なデータが入っていないパソコンのように、スピーディーかつ正確な判断を下せるようになります。気の消耗を最小限に抑えながら、食べたものから最大限の栄養を吸収できます。

これが本来の人間がもっている能力です。排出や解毒に気を無駄に消費することもありません。エネルギーが十分にあり、体に余裕があれば、「お腹がすいた」「もっと食べたい」という体からの正しい要求が発信され、体はいつでも正しい状態になります。

よく「食べたいと感じるものは、その時の体に必要なもの」といわれます。

疲れてくると甘いものを食べたくなったり、運動した後に無性に野菜が食べたくなることがあるでしょう。少食を習慣にすると、このような“体の声”を正確にキャッチできるようになり、自分の体調をつかめるようになります。

 

デトックスできる体、できない体──その違い

現代は、自分が食べているものが何からつくられたのか、産地はどこで、どのように加工されたかが非常に見えにくい時代です。ときには無自覚に、添加物でいっぱいの食べ物、遺伝子組み換え食品も口にしているかもしれません。東日本大震災以後は、特に放射能に汚染された食品も気になります。

大切なのは、それらを万が一食べてしまったとしても、それをしっかり選別し、デトックスできる体をつくることです。ふだんから少食を心がけていれば、そうした自浄ができる体になります。体に悪い食べ物から身を守るために、少食を心がけ、自己防衛能力を高めておいてください。

 

「食べすぎ」に克つ方法

体が必要としている以上に食べてしまうのは、あなたの意志が弱いからではありません。気が不足しているためです。気が足りないと脳が判断すると、食べることでエネルギーを補給しようとします。気が充実していれば、食べたいという欲求はそれほど強くならず、必要な量で満足できます。

 

空腹感を抑える「食べすぎ予防の気功法」

この気功は胃に刺激を与え、胃に気を入れることで脳へ満腹信号を送るので、空腹感が抑えられ、食べすぎを防ぐことができます。また、呼吸を止めると体が温まり、内臓脂肪がとけやすくなりますから、一石二鳥です。あわせて「逆腹式呼吸」を行うことをお勧めします。

 

《食べすぎ予防の気功法》

①    イスに座り、右手をグーの形にして胃の上にあてます。左手を右手の上に包み込むように添えます。

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②    息を吐きながらそのまま前かがみの姿勢になり、吐ききったところで呼吸をとめ、9秒カウントします。

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③    ゆっくり息を吸いながら、上半身を起こします。

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※①~③を9回くり返します。

 

食べすぎてしまったあとに行うと効果的な消化を促す気功法もご紹介します。

《食べすぎたあとの消化を促す気功法》

①    イスに座り、左手を下丹田にあてます。

②    右手を胃にあてます。

③    右手をお腹にさわるかさわらないかくらいの位置で胃の上で時計回りに9回ゆっくりさすります。

 

このとき、胃の中のものが消化されるイメージを描きながら行うといいでしょう。

 

新習慣「朝はしっかり、夜はひかえめ」

元気と若さを保つための食生活には、「少食」が一番。そして同時に、「いつ、何を、どれくらい」食べるかによって、体内に気を効率よくとりこめるかどうかも大切な点です。

一日の食事量を十としたときの配分は、朝:4、昼:3、夜:2、間食:1を目安とします。

一日のうち、朝は一番たくさん食べていい時間です。

夜は少食を心がける、睡眠をしっかりとるという2つを守っていれば、朝はいくら食べても太る心配はありません。

朝は、肉、魚、卵、大豆製品など、たんぱく質の豊富な食品、「これを食べると元気が出る」という料理を積極的に食べること。お菓子などの甘いものも、この時間帯であれば食べてもかまいません。朝は栄養がしっかりつく食べものを食べると一日中、活動的でいられます。

睡眠中、私たちの体内では成長ホルモンをはじめさまざまなホルモンが働いて、前日にたまった疲れをとり、体を修正しています。そのおかげで翌朝は体が整い、気に満ちた体にリセットされます。

 

消化力の落ちた夜に大食する恐ろしさ

反対に、夜は一日の活動で気も減り、消化力も落ちているため、消化吸収の効率は悪く、体に負担になるので、なるべく少食にします。

仕事で帰宅が遅くなり、深夜に夕食をとる人もいるかもしれません。しかし、夜遅い食事は体に負担が大きく、食べないほうがまだましです。

寝る時間までに消化が終わっていないと、気は食べ物の消化に使われてしまい、体の修復ができなくなってしまいます。ただでさえ一日の疲れが影響し、消化能力が落ちているのに、大食すれば、消化吸収は十分にできません。さらに体も修復できず、気が足りない状態になるので、食欲過多になりやすく、大食してしまい、さらに疲れるという負のスパイラルに陥ることになってしまいます。

どうしても会食や接待など、何らかの事情で夜遅く食事をしなければならないときには、その翌朝の食事を控えるようにしてください。

 

「20代のころの体型」になれる食べ方

丁先生はふだんから少食で、ごはんもほんの二、三口、おかずも野菜中心で少量をとるだけだそうです。19時以降、食べ物は口になさいません。夜は気功の練習をして眠りにつき、翌朝は4時半ごろ起床し、朝食は7時ごろ。

先生は夕食の終わる18時ごろから朝7時ごろまでは何も食べていないということです。気功によってエネルギーをたくさん得ているため、お腹がすくことはないそうです。

少食の習慣によって、先生は20代の体型と体重を維持されています。

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気功教室に通っている生徒様の中でも、朝しっかり食べるようになったら、自然に夕食の量が減ったという方が多くいらっしゃいます。同時にお酒の量が減ったり、低血圧が改善されたり、疲れにくくなってきたりとさまざまな効果の報告をいただいています。なかには、食生活を改めたことで味覚まで変わった方もおり、肉やお酒が苦手になって、外食が減り、自分で料理を楽しむほどになり、体型も見違えるようにやせて、若返りました。

 

「がっつり朝食、ちょっぴり夕食」ダイエット

「朝食はしっかり食べること、特に肉や魚、卵、チーズなどタンパク質をとる」を基本にしてください。

現代人は、むしろ夕食をしっかり食べるという食習慣になっています。夕食をしっかり食べると朝食はたくさん食べられないことも多いかもしれません。

「朝から肉を食べるなんて!」と思われる方も多いでしょう。「夜におなかいっぱい食べられない」というマイナスイメージを捨て、「大好きな肉や甘いものを、朝しっかり食べられる」と発想の転換をしてみてください。朝食に好きなものを好きなだけ食べられると考えれば、自然と夕食は控えるようになるものです。

 

諸悪の根源「便秘」の解消法

「朝にしっかり、夜に少なく」という食習慣を続けると、便秘も改善されます。便秘は体の大敵。たまった便は腸内でガスを発生させるので、血液も汚れて肌荒れ、慢性的な疲れや肥満の大きな原因になります。さらに悪化すると、大腸ガンなど深刻な病気を引き起こす恐れもあります。まさに便秘は諸悪の根源なのです。

 

《便秘対策》

①    早めの時間に夕食をとり、寝る2時間前以降は食べない。

②    夜の睡眠でしっかり内臓を休める。

③    朝は早めに起きて、体を早く目覚めさせ、ゆとりを持ってトイレに行く。

 

早めに夕食をとると、寝るまでにきちんと消化されて腸まで行き、翌朝のスムーズな排便につながります。朝、起きてすぐに水分や糖分をとるのも腸にいい刺激を与えますし、気功の呼吸法「逆腹式呼吸」をすると腸の働きが活発になり、体がしっかり目覚め、よりいっそう効果的です。

 

「何を食べるか」で9割決まる

食べものは、私たちが気をとり入れるうえで大事なエネルギー源の一つです。

しかし最近は、野菜でも魚でも、品種改良や促成栽培、養殖などにより、昔に比べて栄養が少なくなっています。昔の食べものは大地のエネルギーがギュッとつまっていて、味も栄養も充実していましたが、工業生産品のごとく大量生産される今の食べ物は、見た目は良くても中身はスカスカということが多いようです。

現代は食材の種類も量もあふれるほど豊かになり、満ち足りた食生活を送っているかのように見えます。しかし、気を十分に取り入れることができる滋養を含む食べものを食べているかというと決して豊かになったとは言えません。

 

「旬のもの、地のもの、伝統食」が体にいいわけ

太学功では体にとって気(エネルギー)になるものを、気になるような食べ方で食べることをお勧めしています。

人間の体は食べなれたものしか消化、吸収できません。つまり、体にいい食べ物とは、「旬のもの、地のもの、伝統食」ということです。

旬のものは、大地や海の気に満ちていますし、その季節の人間の体調を整える効能もあります。ただ旬のものはアクが強いため、体が弱っているときは刺激になる場合もあるので控えたほうがよいでしょう。旬だからとすぐに飛びつくよりも、体が季節になじんできてから、食べたほうが体にはやさしく、栄養になります。

地のもの、つまり地元で取れた食材も、体になじみやすいため、よい気をとり入れることができます。昔から「水が合わない」という言葉があるように、遠い土地で取れたものは体で吸収されにくいものです。

地元で採れた野菜や魚は、その土地の自然環境に適応してきたからこそ育つことができたもの。同じ環境の中で育った私たちもそれを食べることによって、環境適応力がアップします。

最近よく聞かれる「地産地消」を心がけるのは体にとてもよいことです。日本人は日本でとれたものや日本の伝統食が体に合っています。

昔から食べなれたものや子供のころから日常的に食卓に並んでいたものをみそやしょうゆ、みりん、日本酒など日本の伝統的な調味料で味付けする、伝統的な和食ももちろんですが、私たちの体はずっと食べなれたものから、栄養を吸収しやすいようにできています。

 

「特定の食材」にこだわるより大切なこと

太学功では、具体的な食材をあげて、「これは食べたほうがよい、これは体によくない」などということは特にしていません。

「薬膳」については、太学功でも長年研究されてきた分野ですので、よく紹介しています。薬膳は、日々美食を重ねた皇帝の健康を守るために考案された料理なので、「毒を以て毒を制する」という考え方も含まれています。

当研究所では太学功の理論と薬膳の知識を合わせ、食事について具体的なアドバイスをすることもあります。

たとえば、夏はしょうがをお勧めしたり、冬は大根や、牛テールなど滋養のあるものを食べると体が温まるので積極的にとり入れてみて、といった具合にです。

ただし大前提は少食であり、「旬のもの、地のもの、伝統食」を心がけてください。これを守れば、多少偏食であったとしても大丈夫です。

 

脳が目覚める「朝一番の甘いもの」

日本ではダイエットの意識があまりにも強いせいか、太るのを恐れて甘いものを敬遠することが多いようです。

たしかに糖尿病やすい臓疾患がある方は気をつけるべきですが、太り気味だからという理由だけで甘いものを一切食べないようにする必要はありません。特に、黒糖はミネラルもバランスよく入っているし、太りにくいのでお勧めです。

糖分は人間にとって絶対に必要なエネルギーです。脳だけでも一日120g程度の糖分(ブドウ糖)が必要とされています。

糖分はすぐにエネルギーになるので、疲れて体力が落ちているときにも、甘いものを食べれば、早く元気になれます。頭がボーっとしている朝も、甘いものを食べればすぐに脳が働き始めます。

 

肉を食べる人のほうが長生き

甘いものと同じように、肉も、健康を気にする人に敬遠されることがあります。肉ばかり食べていると闘争的になるという面はありますが、全く食べないというのも健康を考えた場合よいとはいえないでしょう。

肉を食べる人のほうが食べない人よりも長生きだという研究報告もあります。植物よりも動物のほうがより人間に近い存在なので、吸収しやすくなっています。肉と大豆を比べても肉のほうが吸収しやすいし、納豆やヒジキなど鉄分の多い植物性の食品より、牛肉やレバーやカツオといった鉄分豊富な動物性の食品でとったほうがより体への吸収はよいのです。

ただ、肉食を控えている人たちが気にするように、吸収されやすいからこそ、動物性の脂肪をとりすぎると余分な体脂肪がつきやすいのも事実。あくまで少食を守り、適量を心がけてください。