脾臓の働きと奇跡の力

 脾臓は普段あまり意識されることがなく、時には切除しても大丈夫という話もありますが、太学功では五臓の一つで大切な役割を果たしている臓器としています。

 特に胎児期から幼少期にかけては一生懸命働いている臓器で、身体を形成するのに重要な働きをしていますが、人体の成長が止まると脾臓の働きも活発ではなくなります。これは脾臓が再生能力に深く関係していることに由来します。人体は成長期には再生の力が必要ですが、大人になると成長もゆっくりとなり、身体が省エネモードに入ります。従って、脾臓の役割も減ってくるわけです。

 人間の能力には、再生能力と免疫能力が備わっています。但し、トカゲの尻尾を切ると新しい尻尾が生えてくるように、人間の場合は指を切っても新しい指が生えてくるということはありません。人は食べ過ぎて胃の粘膜を荒らしてしまったり、指を怪我したりと、いたるところで問題を起こしていますが、その場合は修復能力を発揮してその怪我を治していきます。これは再生ではなく修復で、いわゆる免疫能力を駆使して治しているわけです。このように、人間の場合は再生よりも免疫能力を優先的に選択しているわけです。再生には大量のエネルギーを必要としますので、人間の持っている限られたエネルギーのバランス上、修復能力を優先的に選択しているわけです。

 但し人が幼少時の再生能力は著しく、例えば、小さな子の場合は脳の半分を切除するようなことが起こっても、残り半分の脳が機能を拡大し、全部を補うように働くようになることも起こっています。

 太学功では、エネルギーの容量を大きくし、修復も再生もできる身体づくりを目指します。通常の人がコップ1杯のエネルギーしか持っていないために、修復しかできない場合でも、コップ2杯のエネルギーを持っているとしたら、更に再生も可能になると言っても過言ではありません。

 人は人生の2/3は無駄にしています。この無駄が1/3になるだけで、再生も修復も可能となります。これはだれにでも可能性があることです。

 十二指腸に腫瘍が出来た70歳ぐらいの生徒さんの例ですが、一般的には、できた傷跡は一生消える事は無いと言われています。ところが気功を始めて10年ぐらい経った頃、傷が消えてしまったのです。2,3回の検査でも傷は無く奇跡だと言われました。最初から検査が間違っているのではとも言われたそうですが、この間医者が何回も変わっていたのですから間違いではありません。理解不可能と言われたとのことです。

 この例は、単純な修復ではなく、再生の例です。他にも脳梗塞が良くなった人など、気功をやっていて奇跡と言われた人は何人もいます。

 誰でもが条件さえ整えば、奇跡を起こす力を持っていると言えましょう。

 2010年4月