体内微生物と共存する

このところ、腸内細菌の話題をよく見聞きします。
私達の腸内には、少なくとも数百種類、100兆個、最近のあらたな研究によれば500~1000種類、500兆~1000兆個もの細菌が住んでいて、その重量は1,5㎏にも及ぶとも言われています。

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もちろん、腸だけではなく口の中や皮膚にも微生物は無数にすみ、増殖を繰り返しています。

想像すると気持ちの良いものではありませんが(?)、その微生物たちは必ずしも私達の健康に害を及ぼすものではなく、むしろ健康維持に大きな役割を果たしてくれる有難い存在なのです。

特に腸内細菌叢は、腸管の細胞と共に複雑な生態系を作り、免疫系や神経系、ホルモン産生にも関わっています。
そう、微生物と私たちの身体は共存しお互いに住みやすい環境を共有しているといえるでしょう。

無数の細菌叢のバランスが崩れれば、腸の病気ばかりでなく肥満やアレルギー、肝臓ガン、糖尿病、動脈硬化症の一因にもなるとの研究もあるそうです。
(参考:2015年8月1日付 日経新聞)

このように聞くと、むやみにヨーグルトを大量に食べたり、乳酸菌サプリを飲んだりする方が多いようですが、極端なことをするのはお勧めできません。
大量摂取してみても、体にエネルギーがなければその栄養素を有効活用することができないからです。

また、私たちの祖先が昔から食べてきた食品を中心にとることこそが腸と腸内細菌が喜ぶ食べ方。
日本人は昔から、味噌・醤油・漬物・納豆など良質の発酵食品を食べて来ましたので、日本の伝統食を食事の中心に据えるのがお勧めです。

そして、食べ過ぎこそ腸内細菌叢のバランスを崩す最大の原因ですのでご注意を。

身体に取り込む食品の種類と量に気を配り、ありがたい微生物たちと共存していきたいものですね。
m.s