トランス脂肪酸の摂り過ぎに注意

今年6月、米国食品医薬品局(FDA)が、2018年6月以降「トランス脂肪酸」の食品への添加を原則認めない方針を発表したことは記憶に新しいでしょう。

トランス脂肪酸??初耳という方もご心配なく。
難しいことは抜きにして、代表例をあげればマーガリンやショートニングです。

ちょっと前までは、動物性の油脂はコレステロール値を上げ心筋梗塞や動脈硬化のリスクを高めるとしてバターが敬遠され、植物性油脂が主原料のマーガリンの方がヘルシーだと認識されていました。

マーガリンの方が柔らかくて食パンに塗りやすいうえ、安価であることも人気の理由だったことでしょう。

ショートニングは、豚脂であるラード状のものを植物油脂で作ったもので、やはり安価であるうえ揚げ物はカラッとあがり、菓子類もサクッと軽やかな食感に仕上がるため、加工食品や外食産業の現場で非常によく使用されています。

ところが近年、トランス脂肪酸を摂り過ぎれば動物性油脂と同様コレステロール値を上げ心筋梗塞や動脈硬化のリスクが高まることがわかり、各国が使用や表示について規制をし始めました。
日本では、食品企業などに含有量の表示を勧める指針を打ち出したに止まりますが、少しずつ注意の意識は高まっているといえるでしょう。

マーガリンを家庭でパンに塗るならば使用量は目に見えてわかりやすく管理しやすいですが、加工食品や外食となるとその含有量は察しがつきません。
その点、表示があれば注意を喚起し、摂取量の管理に役立つので、含有量表示は一定の効果を持つといえるでしょう。

しかし、トランス脂肪酸だけを悪者にするよりも、食生活全体のバランスを見直すことこそ大切なのではないでしょうか。

菓子パンは、成分からすれば食事ではなくてお菓子と考えるべきです。
ファストフードのフライドポテトはジャガイモ(野菜)料理ではなくスナックだと考えた方がよいでしょう。

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ファストフードや加工食品、工場生産された菓子やパン類が日常の食生活に深く入り込んでいなければ、トランス脂肪酸の取り過ぎをむやみに恐れることはないはずなのです。

「耳が痛い!」という方はご注意を。

何よりも、食物は食べる人のことを思い愛情をもって料理されてこそ、体に良いエネルギーを与えてくれることをお忘れなく♪

m.s