シリーズ血圧① 血圧は低ければ低いほどよいの?

「血圧が高いですね。」

健康診断でドキッとしたことがある方も多いのではないでしょうか。

血圧の正常値は、時代によって変わります。ほぼ4年ごとに改訂される関係機関による降圧目標血圧値は、近年、より厳しくなっていく傾向にあります。

 kenkoushindan_ketsuatsu

国際的に血圧の基準として広く採用されているのが、 WHO(世界保健機関)、ISH(国際高血圧学会)、米国高血圧合同委員会による分類です。

日本では、2014年4月に日本高血圧学会が定めた 「高血圧治療ガイドライン2014」が判断基準「診察室で測定した血圧(病院・診療所等で医師・看護師により測定された 血圧)が140/90mmHg以上、家庭で測定した血圧が135/85mmHg以上を高血圧」があります。この基準を適用すると日本の高血圧患者は推定で 4,300万人以上、40歳以上の2人に1人が高血圧ということになるそうです。

 

本当に、40歳以上の2人に1人が降圧薬を服用すべきなのでしょうか。

医薬品業界にも影響を与える問題ですから、日本人間ドック学会が判別値147/94という血圧基準を公表した時に、血圧基準について様々な見解が出ていました。

 

本当にあなたの血圧は高いのでしょうか?

血圧は年齢とともに高くなります。

若い時は心臓の働きが強く、血液循環もスムーズなので、全身に血流が行き届き、脳へも十分な血流があります。加齢により、全身の機能が落ちてくるので、若いときに比べ、心臓の働きは弱まり、血液も流れにくくなるため、血流を確保しようと脳が指令を出し、心臓より高い位置にある脳へ血液を送ろうとして血圧が上がります。私たちの身体は、脳という最も重要な臓器への血流を確保しようと、人体のシステムが働き、それが高血圧につながっています。

血圧の数値は一日中変化しています。一般的に、朝は高く、夕方は低い傾向にあります。

朝は、脳を目覚めさせ、活発に働かせる必要があるため、頭へ優先的に血液が送られます。そのため、自然と血圧が高くなるのですが、動脈硬化(脳の血管の弾力がない・血栓などがある)がある場合、一度にたくさんの血液が脳へ送られると、脳内血管が破れてしまうことがあります。これが脳溢血で、朝に多い理由もここからきています。

朝の脳溢血を予防するには、目が覚めたら、『松静功(しょうせいこう)』や『玉女美香功(ぎょくじょびこうこう)』などの静功を5分程度行ってから活動を始めましょう。

 

夕方、血圧が下がるのは、1日の活動を終え、夜、睡眠に入るための準備を体の中で始めているためです。現代社会では、夜、テレビを見たり、遊びに出かけたり、活動が終わらないので、夜に血圧を測ると再び上昇しています。

人体システムとしての血圧のリズムと年齢、生活パターンの関係を正しく理解することは大切です。

上記ガイドラインによると収縮期血圧(最高血圧)150mmHgは、「高い」と判断されますが、50~60歳代以降では、朝150mmHg程度でも夕方に下がっていれば、人体システムが正常に機能していると考えられるので、特に問題はありません。

断片的な数値で血圧が高いと判断して薬で血圧を下げてしまうと、脳に血液が充分に行きとどかないため、脳の機能は低下します。脳への血流が不十分な状態のままだと血管がもろくなりやすく、動脈硬化のリスクが高まります。また、長期的に脳への血流不足が慢性化していると認知症を発症します。薬を飲めば、肝臓にも負担がかかり、副作用が出ることも。。。

気功は気の流れを促し、血液の循環を正常にするため、高血圧の方でも低血圧の方でも、血圧を正常値に整える最適な方法です。毎日の気功の練習が、医師にも薬にも頼らず、自分で高血圧を治せます。